堀辰雄研究 
より専門的・学術的な内容の書籍。むずいです。でも思いがけないおもしろエピソードを拾えたりもします。
文芸雑誌堀辰雄メインその他文学者・文学史総合

■色の文字は目次です。
※お気に入り度を★5つ満点で表示してますがとにもかくにも気まぐれ管理人のことなので何の参考にもなりません。
※「形態」は管理人が所有している書籍の形態を記載してます。なのでハードカバーとあっても文庫版が出ていたりその逆もあるかもなのでご了承ください。
※「発表年(初出)」は巻末に記載されている初版年月日を写しました。なので西暦と元号が入り混じっててすみません。基本的に刊行された順に並べてます。

文芸雑誌
タイトル・著者 出版社  形態 発表年(初出)
文藝
八月特別号

特集・堀辰雄追悼号
オススメ!★★★★★ 
河出書房 A5サイズ雑誌 S28.8月号
・扉 堀多恵子
・弔詞 青野季吉/丸岡明/室生犀星/釈迢空/佐藤春夫/三好達治/中野重治/中村真一郎
・あいさつ 川端康成
堀君と将棋の香車(井伏鱒二)/思ひ出の一時期(深田久弥)/おないどし(舟橋聖一)/堀さんのこと(深澤紅子)/ボールがしたい(永井龍男)/堀さんに詫びる(新庄嘉章)/堀さんのおもひで(佐多稲子)/晩年の堀さん(矢内原伊作)/『驢馬』時代の堀とのこと(窪川鶴次郎)/告別(福永武彦)/詩人の死(加藤道夫)/堀辰雄追想(高橋新吉)
・堀辰雄研究文献目録
・弔歌 釈迢空
お目にかかれぬままに(高峰三枝子)/白い手紙(恩地孝四郎)/色鉛筆(中里恒子)/最後の訪問(佐々木基一)/堀辰雄の思ひ出(伊藤整)/ひとつの挿話(神保光太郎)/白い花(神西清)
・堀辰雄の文学 河上徹太郎
・堀辰雄作品集 菜穂子/あひびき/雪の上の足跡/ルイズ・ラベ ソネット集
・菜穂子覚書(未発表)
・書簡 室生犀星宛/石川淳宛/中里恒子宛/三好達治宛/中村真一郎宛/神西清宛
・堀辰雄年譜 谷田昌平
・表紙・目次カット・カット 岡鹿之助
没後まもなく出版された「文藝」の堀辰雄追悼号。よく売れたらしく増刷もされました。堀辰雄とゆかりのあった人々が寄せた文章は堀辰雄個人全集等に再録されているものも多いですが、堀ファンとしてはやはり手元に持っておきたい記念の一冊。
文藝・臨時増刊

堀辰雄読本

★★★★ 
河出書房 A5サイズ雑誌 S32.2月号
・堀辰雄文学入門 神西清
・堀辰雄 人と作品 丸岡明
・堀辰雄の文学 三好達治
・一つの感謝 中村真一郎
・堀辰雄の世界 佐々木基一
・神々と神と 遠藤周作
・詩人・堀辰雄 室生犀星
・堀辰雄と西欧文学 谷田昌平
・座談会 堀辰雄文学を裁断する 伊藤整/大岡昇平/山本健吉
・作品論 『かげろふの日記』釈迢空/『美しい村』河上徹太郎/『菜穂子』中野好夫/『菜穂子』加藤周一/『風立ちぬ』矢内原伊作/『風立ちぬ』立原道造/『燃ゆる頬』川端康成
・堀辰雄思い出抄 舟橋聖一
・堀辰雄 萩原朔太郎
・雪・花・小鳥 野村英夫
・堀辰雄への手紙 芥川龍之介
・座談会 堀辰雄の人と文学 中島健蔵/中野重治/佐多稲子/中村真一郎
・京都における堀さんの思い出(大山定一)/堀君と数学(吉田洋一)/人間くさい顔(丸山薫)/二三片(竹中郁)/あたたかな微笑(神保光太郎)/堀辰雄さんのこと(中里恒子)/堀さんの思い出(矢野良子)/堀さんのこと(楢崎勤)/五月(畑中良輔)/いたわりときびしさ(山本武夫)/断片(小山正孝)/少年堀辰雄(西村龍昇)/ある日ある時(平木二六)/二枚のエハガキ(阿比留信)
・堀辰雄作品集 窓/聖家族/風立ちぬ/晩夏/曠野/浄瑠璃寺の春/花を持てる女/斑雪/橇の上にて/樹下/プルウスト雑記/Ombra di Venezia/雉子日記/死者の書/詩/訳詞・リルケ(冬)ジャム(五十五歳の肖像)
・堀辰雄年譜
・堀辰雄重要文献目録
・アンケート
・グラビア 堀辰雄アルバム
・表紙・目次・カット 岡鹿之助
・カット 深澤紅子
堀辰雄にまつわる著名人・研究者らの文章をまとめた一冊。過去の文芸誌等に発表されたものと新たに寄稿されたもの(「京都における堀さんの思い出」~「二枚のエハガキ」まで)で構成されています。あ、ヘイトむきだしО岡昇平が吼える堀アンチ座談会も初出です。これはギャグとして読めばいいです。注目はなんといっても巻末「アンケート」。文学界のけっこうな面々が答えてます。手厳しい意見も多いですが、そのなかでとくに腑に落ちたのは石原慎太郎の回答「嫌いです、感覚的に。しかしあの世界の小ささは矢張り偉大だとも思う」と三島由紀夫の回答「自分に適さぬことには一切手を出さなかった聡明な才能」。
國文學
解釈と教材の研究

特集・堀辰雄における人間と風土

★★★
学燈社 A5サイズ雑誌 S38.7月号 
・堀辰雄の文学とその時代 吉田精一
・堀辰雄の生涯と文学 谷田昌平
・堀辰雄の作品における風土と人間像 小久保実
・橙色の雁皮の花-浅間山麓の堀辰雄について- 丸岡明
・堀辰雄と大和 谷田昌平
・堀辰雄と王朝文学 木村正中
・堀辰雄と西欧文学-リルケ体験を中心に- 横田俊一
・堀辰雄と芥川龍之介 進藤純孝
・堀辰雄と萩原朔太郎 伊藤信吉
・堀辰雄と折口信夫-私記風に見た堀辰雄の一面- 小谷恒
・堀辰雄と立原道造 江頭彦造
・堀辰雄における“美学”-「聖家族」前後- 三好行雄
・はるかな世界-「驢馬」と堀辰雄 窪川鶴次郎
・同人雑誌と堀辰雄 成田孝昭
・堀先生と原稿 岡田甫
・回想の堀辰雄
 辰っちゃんと疎開(室生朝子)/やはりなつかしい堀辰雄(葛巻義敏)/堀辰雄と軽井沢(板垣直子)
・堀辰雄を研究する人のために 熊坂敦子
没後十周年をむかえ改めて堀辰雄の人と文学を探求する特集号。学術的なものがメインですが、堀辰雄の身近な素顔にふれる回想もあり、他誌では見かけない写真が載っていたりもして、なかなか貴重な一冊です。
解釈と鑑賞 別冊
現代のエスプリ第17号
堀辰雄

編集・解説 佐々木基一

★★★
 
至文堂 雑誌 S41.1
・総論 意力の作家・堀辰雄 佐々木基一
・堀辰雄文学入門 神西清
・堀辰雄の文学 三好達治
・堀辰雄-一つの感謝 中村真一郎
・堀辰雄の回想 室生犀星
・堀辰雄の現代的意味 吉田健一
・乱世文学者 堀田善衛
・座談会 堀辰雄の文学を裁断する 伊藤整/大岡昇平/山本健吉
・素描堀辰雄―〈聖家族〉以後― 北原武夫
・柘榴を持つ聖母の手 中里恒子
・堀辰雄の手紙―「対花眠」抄 葛巻義敏
・はるかなる世界―思い出すままに― 窪川鶴次郎
・文壇・ジャーナリズム・アカデミー(抄) 谷川徹三
・「聖家族」序 横光利一
・堀辰雄の聖家族 小林秀雄
・「美しい村」 河上徹太郎
・風立ちぬ 立原道造
・物語りの女 宇野浩二
・菜穂子考 福永武彦
・「かげろふの日記・曠野」 釈迢空
・花あしび論 遠藤周作
・堀辰雄と日本古典 谷田昌平
・雉子日記・堀辰雄詩集 野村英夫
・あいさつ 川端康成
・ふたしかな記憶―堀辰雄のこと 中野重治
・堀辰雄氏へ 林芙美子
・堀君と薬屋 井伏鱒二
・堀辰雄君と私 竹山道雄
・堀さんのこと 佐多稲子
・堀辰雄のこと―愛すべき人がら品格ある作品 佐藤春夫
・堀辰雄の思ひ出 伊藤整
・堀辰雄 杉浦明平
・詩人の死 加藤道夫
・病床の堀さん 加藤周一
・堀辰雄さんの横顔 山室静
・浅間の麓 丸岡明
・橙色の雁皮の花―浅間山麓の堀辰雄について― 丸岡明
・堀辰雄よ 丸岡明
・追分村 丸岡明
・堀辰雄抄―タツオ・花・小鳥 堀多恵子
・堀辰雄年譜 谷田昌平
・主要作品梗概
・堀辰雄作品抄 聖家族/姨捨記/病床雑記(その一)(その二)/樹下/不器用な天使/美しい村/窓/浄瑠璃寺の春/青猫について/僕は/死のかげの谷/菜穂子/雪の上の足跡/風立ちぬ/病床雑記(その三)/かげろふの日記

こちらは過去の文芸誌等からの再録のみで構成されてますが、堀辰雄の人柄と文学論を知るにはうってつけの一冊です。例の座談会まで載せてるのは堀アンチの生態サンプルとしてでしょうか。
 國文學
解釈と教材の研究

堀辰雄 ロマネスクの運命

★★★
学燈社 A5サイズ雑誌 S52.7月号 
・私にとっての堀辰雄 福永武彦
・対談 堀辰雄・思い出すことなど 堀多恵 中村真一郎
・位置と方法 堀辰雄における近代と反近代(佐藤泰正)/小説の方法への意志(高橋英夫)/堀辰雄における経験と虚構(源高根)/堀辰雄の文学における昭和十年代(杉野要吉)/文体の問題(原子朗)
・主題と展開 堀辰雄の愛と死の主題(熊坂敦子)/同意への脱出(清水徹)/堀辰雄の王朝(竹西寛子)/小品と随筆の世界(矢内原伊作)
・堀辰雄とコクトー 澁澤龍彦
・原郷と創造 堀辰雄とプルースト(三輪秀彦)/堀辰雄とリルケ(神品芳夫)/堀辰雄と「四季」(富士川英郎)
・作品の構造 「ルウベンスの偽画」(藤澤成光)/「聖家族」(池内輝雄)/「美しい村」(大森郁之助)/「風立ちぬ」(小久保実)/「かげろふの日記」(上坂信男)/「菜穂子」(中島国彦)
・堀辰雄主要研究文献目録
没後二十五年の特集号。高度経済成長期を経て様変わりした日本、戦中戦後の人々のよりどころであった堀辰雄文学への風向きもこのあたりから変わってきている気配がします。この号で一番読みごたえがあるのは多恵子夫人と中村真一郎のロング対談。堀辰雄のプライベートにここまで踏み込んだ話ができるのも没後四半世紀という経過があってこそ。
ユリイカ 詩と批評
堀辰雄 死と生と愛

★★ 
青土社 A5サイズ雑誌 1978.9.1
・知らなかった頃 立原えりか
・堀辰雄への違和感 飯島耕一
・人生の前と後 矢内原伊作
・堀辰雄 その前期の可能性について 中村真一郎
・堀辰雄の〈光〉と〈影〉 饗庭孝男
・エスプリ・ヌーヴォーの詩人 窪田般弥
・偽画の世界 酒井三喜
・堀辰雄―ポーズの美学 古屋健三
・堀辰雄のきびしさ 杉浦明平
・菜穂子と圭介とモーリアック ドナルド・キーン
・助走路の文学 佐伯彰一
・もうひとりのマラルメ 小佐井伸二
・堀辰雄とリルケ翻訳 神品芳夫
・菜穂子とテレーズ・デスケールー 若林真
・『風立ちぬ』の意味 渡辺広士
・二人称の余韻 高橋英夫
・鼎談 堀辰雄の生と詩 中村真一郎/大岡信/清水徹
・堀辰雄の詩と真実 芹沢俊介
・風景の背後 諸田和治
・堀辰雄年譜 小久保実
 
時代が下るとともに露骨に手厳しい評論も増えてまいります。手厳しくてもニュートラルな評論なら納得できるんです。わざわざ堀辰雄特集で鼻息荒く太宰を持ち上げ堀をディスる太宰信者には毎度のことながら困ったもんです。文学論そっちのけで人格攻撃に走るのは堀アンチに共通するところ。こじらせてるんすね。
新潮45
混迷の世の「賢者の書」
2010年4月号

オススメ!★★★★★
新潮社 A5サイズ雑誌 2010.3.18
・作家堀辰雄の周辺 秦郁彦
現代史家・秦郁彦氏による、11ページにわたる堀辰雄の最新研究論。「風立ちぬ」ヒロインのモデル矢野綾子の複雑なプロフィールと意外な実像が紹介されてます。綾子との愛とその家族たちとの絆が多恵子夫人に引き継がれていくプロセスが整然とつづられていて、無駄のない文章がふしぎに胸を打ちます。「九六歳になる今も健在である」と紹介された多恵子夫人はこの一か月後、亡夫の元へ旅立つこととなります。そんな時期に読んだこともあり、私の中では格別に印象深い評論。

以下はとりあえずタイトル・出版社情報のみ…。内容の情報は追い追い更新できればと思ってます。思うだけなら誰でもできる。
堀辰雄メイン
タイトル・著者 出版社  形態 発表年(初出)
評伝・堀辰雄
小川和佑
六興出版 ソフトカバー単行本 S53.6.15
内的独白
福永武彦
河出書房新社 函入ハードカバー単行本 S53.11.5
芥川・堀・立原の文学と生
中村真一郎
新潮選書 ソフトカバー新書 S55.3.15
堀辰雄 その生涯と文学
佐々木基一/谷田昌平
花曜社 ハードカバー単行本 S58.7.15
※S30年の改訂版
増補・堀辰雄の実像
三島佑一
林道舎 函入ハードカバー単行本 H4.4.1 
堀辰雄と昭和文学
竹内清己
三弥井書店 函入ハードカバー単行本 H4.6.25 
芥川龍之介と堀辰雄
影山恒男
有精堂 ハードカバー単行本 1994.11.1
濹東の堀辰雄
谷田昌平
彌生書房 ハードカバー単行本 1997.7.5
堀辰雄と開かれた窓「四季」
水口洋治
竹林館 ソフトカバー単行本 H13.4.5
堀辰雄・人と文学(日本の作家100人)
竹内清己
勉誠出版 ハードカバー単行本 2004.12.10
物語の娘・宗瑛を探して
川村湊
講談社 ハードカバー単行本  2005.5.31

その他文学者・文学史総合
タイトル・著者 出版社  形態 発表年(初出)
芥川龍之介の世界
中村真一郎
角川書店 文庫本 S43.10.10
折口信夫 虚像と実像
穂積生萩
勉誠出版社 ハードカバー単行本 H8.10.24 

 
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